6月の映画鑑賞記
「アジャストメント」
マットディモン主演。彼のボーンシリーズは圧倒的なスピードとアクションで超面白かった。今回は若手の有望な下院議員。有利に進めていた上院選に自らの不始末で敗れる。その敗因のスピーチをトイレでつぶやいている時に、あろう事か男性用のトイレに女性が隠れていたのだ。二人は瞬間に恋に陥る。しかし、この世の運命は全て「議長」に決められていたのだ。この二人が恋に落ちる事は想定外。その事を知った彼は運命にどう立ち向かうのか。そして何も知らぬ彼女は、以前の婚約者と式を挙げる事にする。さて、どうなる・・・。イヤ、仲々面白い。ラストの教訓も余り説教臭くなく素直に貢ける。
★★★★
「アレクサンドリア」(スペイン2009)
舞台は4世紀のエジプトの都市アレクサンドリア。ローマ帝国は東西に分割する寸前。女性天文学者ヒュパティアの物語。実在した人物で映画化されるのは初めてとの事。勢力を伸ばしつつあるキリスト教が異宗徒を迫害し、しまいにはユダヤ教徒迄殺害していく。己の宗教以外は認めないというのはイスラム教も同じ。中国では「文化大革命」の名のもと、古典、芸術等が破壊されたことがあるが、キリスト教徒も学問の中心の地である図書館の蔵書を焼き払いあろうことか家畜小屋にしてしまう。さて、ヒュパティアは分け隔てなく弟子達に哲学を教える。しかし、キリスト教の主教がアレクサンドリアを駄目にしているのは女であるヒュパティアであると名指し非難。追いつめられる中、彼女は遂に地球を中心とした地動説に対し、太陽を中心に惑星が廻っている真理にたどりつく。そして運命の時が。いかにしてその謎を解いたか、その過程が興味深い。しかし、宗教とは残酷である。
★★★
「127時間」
金曜日の夜、愛車にマウンテンバイクを積んでいつものように行先を言わず、ブルー・ジョン・キャニオンに向かった。ロッククライミングが好きな調子の良い今時の若者アーロンである。途中、可愛い女の子二人に会い谷底の秘密の湖に案内し楽しむ。その後、再び一人でロッククライミングを続けるが谷底に落ちてしまう。と同時に落ちてきた石に腕を挟まれ身動きが出来ない!食料も水も切れる。持っているナイフは母親のクリスマスプレゼントのおまけに付いた切れない鈍い刃物。腕に刺しても骨で止まってしまう。死を目前にして、自分の人生を見つめると家族や分かれたガールフレンドに対する反省ばかり。
この辺りは己を見つめる「内観」と同じだ。でも、だからこそ、アーロンは127時間後に生き抜く決意をし、行動に移す。切れないナイフを手に取ったアーロンが取った行動は・・・。つい最近の実話!
★★★★
「神々と男たち」(仏2010)
1996年アフリカのアルジェリアで実際に起きたイスラム原理主義のテロ集団によるフランス人修道士誘拐事件。襲われた時二人は隠れて生き延び、7名が捕まり全員の首だけが見つかった。
さて、フランスから送られて来たカソリックの修道士達。現地のイスラム教徒と宗教を超えて平和な日々を過していた。一人は老医師で一日に150名もの村人を治療している。しかし、アルジェリア軍とイスラム原理主義者のテロ集団との内戦が激化の一途をたどり、修道院にも現地政府やフランス内務省から帰国せよとの要請が来る。クリスチャンをリーダーとする修道士達の意見も当初は分かれる。そして町に買い物に出かけていた一人の修道士が戻ってくる。その夜の9名での晩餐(ばんさん)。まさか、これが最後になるとは。老医師がワインを2本出し、そして音楽をかける。それが何と、チャイコフスキーの「白鳥の湖」である。先日見た「ブラック・スワン」でも何回も聴いているメロディ。9人のそれぞれの表情が映し出される。そして信仰に基いた決意と覚悟は全員同じなのだ。それと同時に「白鳥の湖」のクライマックスに繋がりボリュームも大きくなる。修道士と共に僕は涙した。このシーン、映画史に残る。淡々と進む2時間の映画が、この5分で見事に輝く。
★★★★★
「スカイライン」<征服>
これは、宇宙人が地球に侵略するとたった3日で終わりますヨというコワ~イ映画。しかし、それだけでは見ませんヨ。「アバター」のVFX(特殊映像効果)を担当したストラウス兄弟が独立して自分達のスタジオを設立。そして、出資を募りたった1,000万ドル(約8億円)で作ったのがこの映画。お金が無いから3日で侵略させるしか無かったのかも。舞台の高級マンションは監督した兄の自宅。金は無くとも若者のアイディアの勝利だね。役者は皆無名だし。
★★★
--------------------------------------------
子供の頃から映画大好き人間。業界では知る人ぞ知る。
中3の高校受験の時は、月に50本を見た事も。今でも年に5~60回は映画館に足を運ぶ。
【評価】
★★★★★ 傑作。見逃すと後悔するぞ!
★★★★ お勧め!映画館に走ろう!
★★★ それなりに面白い。
★★ お暇ならどうぞ。
★ 金と時間のムダ。
マットディモン主演。彼のボーンシリーズは圧倒的なスピードとアクションで超面白かった。今回は若手の有望な下院議員。有利に進めていた上院選に自らの不始末で敗れる。その敗因のスピーチをトイレでつぶやいている時に、あろう事か男性用のトイレに女性が隠れていたのだ。二人は瞬間に恋に陥る。しかし、この世の運命は全て「議長」に決められていたのだ。この二人が恋に落ちる事は想定外。その事を知った彼は運命にどう立ち向かうのか。そして何も知らぬ彼女は、以前の婚約者と式を挙げる事にする。さて、どうなる・・・。イヤ、仲々面白い。ラストの教訓も余り説教臭くなく素直に貢ける。
★★★★
「アレクサンドリア」(スペイン2009)
舞台は4世紀のエジプトの都市アレクサンドリア。ローマ帝国は東西に分割する寸前。女性天文学者ヒュパティアの物語。実在した人物で映画化されるのは初めてとの事。勢力を伸ばしつつあるキリスト教が異宗徒を迫害し、しまいにはユダヤ教徒迄殺害していく。己の宗教以外は認めないというのはイスラム教も同じ。中国では「文化大革命」の名のもと、古典、芸術等が破壊されたことがあるが、キリスト教徒も学問の中心の地である図書館の蔵書を焼き払いあろうことか家畜小屋にしてしまう。さて、ヒュパティアは分け隔てなく弟子達に哲学を教える。しかし、キリスト教の主教がアレクサンドリアを駄目にしているのは女であるヒュパティアであると名指し非難。追いつめられる中、彼女は遂に地球を中心とした地動説に対し、太陽を中心に惑星が廻っている真理にたどりつく。そして運命の時が。いかにしてその謎を解いたか、その過程が興味深い。しかし、宗教とは残酷である。
★★★
「127時間」
金曜日の夜、愛車にマウンテンバイクを積んでいつものように行先を言わず、ブルー・ジョン・キャニオンに向かった。ロッククライミングが好きな調子の良い今時の若者アーロンである。途中、可愛い女の子二人に会い谷底の秘密の湖に案内し楽しむ。その後、再び一人でロッククライミングを続けるが谷底に落ちてしまう。と同時に落ちてきた石に腕を挟まれ身動きが出来ない!食料も水も切れる。持っているナイフは母親のクリスマスプレゼントのおまけに付いた切れない鈍い刃物。腕に刺しても骨で止まってしまう。死を目前にして、自分の人生を見つめると家族や分かれたガールフレンドに対する反省ばかり。
この辺りは己を見つめる「内観」と同じだ。でも、だからこそ、アーロンは127時間後に生き抜く決意をし、行動に移す。切れないナイフを手に取ったアーロンが取った行動は・・・。つい最近の実話!
★★★★
「神々と男たち」(仏2010)
1996年アフリカのアルジェリアで実際に起きたイスラム原理主義のテロ集団によるフランス人修道士誘拐事件。襲われた時二人は隠れて生き延び、7名が捕まり全員の首だけが見つかった。
さて、フランスから送られて来たカソリックの修道士達。現地のイスラム教徒と宗教を超えて平和な日々を過していた。一人は老医師で一日に150名もの村人を治療している。しかし、アルジェリア軍とイスラム原理主義者のテロ集団との内戦が激化の一途をたどり、修道院にも現地政府やフランス内務省から帰国せよとの要請が来る。クリスチャンをリーダーとする修道士達の意見も当初は分かれる。そして町に買い物に出かけていた一人の修道士が戻ってくる。その夜の9名での晩餐(ばんさん)。まさか、これが最後になるとは。老医師がワインを2本出し、そして音楽をかける。それが何と、チャイコフスキーの「白鳥の湖」である。先日見た「ブラック・スワン」でも何回も聴いているメロディ。9人のそれぞれの表情が映し出される。そして信仰に基いた決意と覚悟は全員同じなのだ。それと同時に「白鳥の湖」のクライマックスに繋がりボリュームも大きくなる。修道士と共に僕は涙した。このシーン、映画史に残る。淡々と進む2時間の映画が、この5分で見事に輝く。
★★★★★
「スカイライン」<征服>
これは、宇宙人が地球に侵略するとたった3日で終わりますヨというコワ~イ映画。しかし、それだけでは見ませんヨ。「アバター」のVFX(特殊映像効果)を担当したストラウス兄弟が独立して自分達のスタジオを設立。そして、出資を募りたった1,000万ドル(約8億円)で作ったのがこの映画。お金が無いから3日で侵略させるしか無かったのかも。舞台の高級マンションは監督した兄の自宅。金は無くとも若者のアイディアの勝利だね。役者は皆無名だし。
★★★
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子供の頃から映画大好き人間。業界では知る人ぞ知る。
中3の高校受験の時は、月に50本を見た事も。今でも年に5~60回は映画館に足を運ぶ。
【評価】
★★★★★ 傑作。見逃すと後悔するぞ!
★★★★ お勧め!映画館に走ろう!
★★★ それなりに面白い。
★★ お暇ならどうぞ。
★ 金と時間のムダ。
2011年06月21日 22:27