12月の映画鑑賞記
1.「カンパニーメン」
2010年アメリカ。リーマンショック後の不況で、大企業も次々にリストラをする。大卒後、勤続12年のバリバリの販売部長(ベン・アフレック)はまさかの解雇に。この企業は造船からスタートした総合企業だが、不採算部門を切り捨て、成長分野に集中しようという算段。工員上がりの勤続30年のフィルも60歳近いが、無情にも解雇。そして彼は自殺する。リストラに反対し続ける副社長ジーン(トミー・リー・ジョーンズ)迄解雇。アメリカは上司の判断でいとも簡単に首切りだ。さてベン・アフレック、自分なら再就職は簡単と思いきや、3ケ月も仕事が見つからない。住宅も愛車ポルシェも売り払い、実家に間借りする。プライドが高く、仲々現実を見つめる事が出来ない彼を妻が諭す。プライドを捨て、妻の兄(ケビン・コスナ―)が経営する小さな工務店で働く。ラストで、副社長ジーンが小さな海運会社を起業する事になり、そこに誘われる。年収は以前の半分のそれでも8万ドルだ。ジーンのセリフが良い。昔は船を造り、この工場だけで6000人も雇っていた。それが、皆、収入が増え、会社が大きくなり、貸借対照表の数字とかばかり気にして投資に走り、アメリカが物作りから離れていった云々。蘰蓄あることばです。
★★★
2.「ハウスメイド」(韓)
韓国映画は、時に面白いものがあるから期待したが・・・。ある富豪の邸宅にメイドで働く事になったバツイチの若いおばさん。若妻は双子を妊娠中。ある晩、主人に求められるまま関係を持つ。まあ、よくあるパターン。そして妊娠してしまう。メイドは産もうとするが、若妻とその母によって流産させられてしまう。そしてメイドは復讐を誓うのだが、ラストに唖然。本人は邸宅に押し入り、首を吊り焼死するが、富豪家族は幸せのまま。何故これが復讐だ?この監督の意図が理解しかねる。
★★
3.「恋の罪」
東京電力OLの裏の顔が、実は渋谷区丸山町ラブホテル街で、娼婦をしていて殺されたという90年代のあの事件。当時捕まり犯人とされたネパール人が、再審されるかという話題の実際に起きた事件がモデル。東電OLが映画では大学助教授に設定。そこに、人気小説家の清楚な妻が退屈な生活から始めたスーパーのパートの売り子をきっかけにモデルに誘われ、丸山町で二人が出会い愛の地獄が始まり、助教授は殺される。ラストで犯人が解るがこれも狂気。そして清楚な妻は、港町で身体を売る女に堕ちる。映画では、もう一人の女が登場する。女の子と人の良い亭主がいるのだが、亭主の後輩と不倫を続けている事件を追う女刑事である。この3名の女の性は嘘か真か、ああ恐ろしや。詩人田村隆一の「帰途」と、カフカの「城」が重要な意味合いを持っている。しかし、この園子温という監督。鬼才だが、前作「冷たい熱帯魚」には劣る。この映画の撮影後、清楚な妻役から堕ちていく女を演じた神楽坂恵と結婚したそうな。
★★★
4.「リアル・スティール」
ボクシング映画と言うと、ロッキーシリーズが有名。ひと昔前のチャンプでは、落ちぶれたボクサー(ジョン・ボイド)を可愛い息子がチャンプと呼び続け父を誇っていた。その父が、名誉回復の為に出た試合で壮絶な戦いの後、命を落とす。チャンプと呼び続けたあの男の子に涙した観客は多い。さて、この映画、舞台は近未来。人間達の戦いは迫力が無いという事で、今やロボット同士が戦うのだ。元ボクサーの男は、賭けロボットボクシングにあけくれ金は無い。そんな男のもとに別れた妻が亡くなり、11歳の男の子がやって来る。父は子が邪魔で、息子は自分を捨てた父が憎い。しかしある日、ひょんな事から土の中に埋もれていた古い型のスパークリング用ロボットを息子が復活させる。しかし、戦うロボットでは無いこの愛嬌ある目を持つロボットが、息子の情熱で賭け試合で勝ち続けるのだ。そして前座ではあるが、公式戦に呼ばれ勝ってしまう。その場で息子が最強の無敗のチャンピオン「ゼウス」に挑戦状を叩きつけるのだ。さあ、この試合が見もの。そうあのロッキーと同じ興奮。その過程で父と息子が愛を取り戻すというハリウッド得意のパターンもあり、ラストは思わず泣けますぞ!カップルで、家族で見るには今年一番の1本。
★★★★★
5.「ミッション・インポッシブル」
ご存知、トム・クルーズのシリーズ第4作。第1作目は大変面白かったが、2、3作目はそうでも無かった。しかしこれは面白い。2時間余りの時間があっという間だ。ブタペスト、モスクワ、ドバイ、モンバイと舞台を変え、ストーリーが超特急。しかし、このトム・クルーズ、今年50歳になるとの事だが、走ったり、跳んだり、イヤハヤ己の肉体を良く鍛えているもんだ。ハリウッドのトップスターの凄さは、自らを鍛えている所だ。それが、チャラチャラした日本の俳優と違う。ドバイの世界一高いビルをよじ登ったり、落ちたり、CGを使っていると言えど、自らスタントに挑戦しているシーンがあるからこそ迫力が出る。気分爽快でお正月映画にピッタリ!
★★★★★
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子供の頃から映画大好き人間。業界では知る人ぞ知る。
中3の高校受験の時は、月に50本を見た事も。今でも年に5~60回は映画館に足を運ぶ。
【評価】
★★★★★ 傑作。見逃すと後悔するぞ!
★★★★ お勧め!映画館に走ろう!
★★★ それなりに面白い。
★★ お暇ならどうぞ。
★ 金と時間のムダ。
2010年アメリカ。リーマンショック後の不況で、大企業も次々にリストラをする。大卒後、勤続12年のバリバリの販売部長(ベン・アフレック)はまさかの解雇に。この企業は造船からスタートした総合企業だが、不採算部門を切り捨て、成長分野に集中しようという算段。工員上がりの勤続30年のフィルも60歳近いが、無情にも解雇。そして彼は自殺する。リストラに反対し続ける副社長ジーン(トミー・リー・ジョーンズ)迄解雇。アメリカは上司の判断でいとも簡単に首切りだ。さてベン・アフレック、自分なら再就職は簡単と思いきや、3ケ月も仕事が見つからない。住宅も愛車ポルシェも売り払い、実家に間借りする。プライドが高く、仲々現実を見つめる事が出来ない彼を妻が諭す。プライドを捨て、妻の兄(ケビン・コスナ―)が経営する小さな工務店で働く。ラストで、副社長ジーンが小さな海運会社を起業する事になり、そこに誘われる。年収は以前の半分のそれでも8万ドルだ。ジーンのセリフが良い。昔は船を造り、この工場だけで6000人も雇っていた。それが、皆、収入が増え、会社が大きくなり、貸借対照表の数字とかばかり気にして投資に走り、アメリカが物作りから離れていった云々。蘰蓄あることばです。
★★★
2.「ハウスメイド」(韓)
韓国映画は、時に面白いものがあるから期待したが・・・。ある富豪の邸宅にメイドで働く事になったバツイチの若いおばさん。若妻は双子を妊娠中。ある晩、主人に求められるまま関係を持つ。まあ、よくあるパターン。そして妊娠してしまう。メイドは産もうとするが、若妻とその母によって流産させられてしまう。そしてメイドは復讐を誓うのだが、ラストに唖然。本人は邸宅に押し入り、首を吊り焼死するが、富豪家族は幸せのまま。何故これが復讐だ?この監督の意図が理解しかねる。
★★
3.「恋の罪」
東京電力OLの裏の顔が、実は渋谷区丸山町ラブホテル街で、娼婦をしていて殺されたという90年代のあの事件。当時捕まり犯人とされたネパール人が、再審されるかという話題の実際に起きた事件がモデル。東電OLが映画では大学助教授に設定。そこに、人気小説家の清楚な妻が退屈な生活から始めたスーパーのパートの売り子をきっかけにモデルに誘われ、丸山町で二人が出会い愛の地獄が始まり、助教授は殺される。ラストで犯人が解るがこれも狂気。そして清楚な妻は、港町で身体を売る女に堕ちる。映画では、もう一人の女が登場する。女の子と人の良い亭主がいるのだが、亭主の後輩と不倫を続けている事件を追う女刑事である。この3名の女の性は嘘か真か、ああ恐ろしや。詩人田村隆一の「帰途」と、カフカの「城」が重要な意味合いを持っている。しかし、この園子温という監督。鬼才だが、前作「冷たい熱帯魚」には劣る。この映画の撮影後、清楚な妻役から堕ちていく女を演じた神楽坂恵と結婚したそうな。
★★★
4.「リアル・スティール」
ボクシング映画と言うと、ロッキーシリーズが有名。ひと昔前のチャンプでは、落ちぶれたボクサー(ジョン・ボイド)を可愛い息子がチャンプと呼び続け父を誇っていた。その父が、名誉回復の為に出た試合で壮絶な戦いの後、命を落とす。チャンプと呼び続けたあの男の子に涙した観客は多い。さて、この映画、舞台は近未来。人間達の戦いは迫力が無いという事で、今やロボット同士が戦うのだ。元ボクサーの男は、賭けロボットボクシングにあけくれ金は無い。そんな男のもとに別れた妻が亡くなり、11歳の男の子がやって来る。父は子が邪魔で、息子は自分を捨てた父が憎い。しかしある日、ひょんな事から土の中に埋もれていた古い型のスパークリング用ロボットを息子が復活させる。しかし、戦うロボットでは無いこの愛嬌ある目を持つロボットが、息子の情熱で賭け試合で勝ち続けるのだ。そして前座ではあるが、公式戦に呼ばれ勝ってしまう。その場で息子が最強の無敗のチャンピオン「ゼウス」に挑戦状を叩きつけるのだ。さあ、この試合が見もの。そうあのロッキーと同じ興奮。その過程で父と息子が愛を取り戻すというハリウッド得意のパターンもあり、ラストは思わず泣けますぞ!カップルで、家族で見るには今年一番の1本。
★★★★★
5.「ミッション・インポッシブル」
ご存知、トム・クルーズのシリーズ第4作。第1作目は大変面白かったが、2、3作目はそうでも無かった。しかしこれは面白い。2時間余りの時間があっという間だ。ブタペスト、モスクワ、ドバイ、モンバイと舞台を変え、ストーリーが超特急。しかし、このトム・クルーズ、今年50歳になるとの事だが、走ったり、跳んだり、イヤハヤ己の肉体を良く鍛えているもんだ。ハリウッドのトップスターの凄さは、自らを鍛えている所だ。それが、チャラチャラした日本の俳優と違う。ドバイの世界一高いビルをよじ登ったり、落ちたり、CGを使っていると言えど、自らスタントに挑戦しているシーンがあるからこそ迫力が出る。気分爽快でお正月映画にピッタリ!
★★★★★
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子供の頃から映画大好き人間。業界では知る人ぞ知る。
中3の高校受験の時は、月に50本を見た事も。今でも年に5~60回は映画館に足を運ぶ。
【評価】
★★★★★ 傑作。見逃すと後悔するぞ!
★★★★ お勧め!映画館に走ろう!
★★★ それなりに面白い。
★★ お暇ならどうぞ。
★ 金と時間のムダ。
2011年12月27日 13:23