6月の映画鑑賞記
子供の頃から映画大好き人間。業界では知る人ぞ知る。中3の高校受験の時は、月に50本を見た事も。今でも年に50~60回は映画館に足を運ぶ。
1.「エンド・オブ・ホワイトハウス」
まあ、とんでもない映画である。何しろ、北朝鮮のテロ集団にホワイトハウスが占拠されるのである。それもたったの13分で。一機の戦闘機がホワイトハウスの上空から攻めてくる。ホワイトハウスをフェンス越しに眺める観光グループを偽装したテロ集団。更には、韓国首相一行がホワイトハウス内でアメリカ大統領と会談する。そのシークレットサービスが実は北朝鮮のテロ集団であるなんていくら映画といえど荒唐無稽(こうとうむけい)。
その2年前に一人のシークレットサービスが、事故にあった車から大統領を救い出すが、替りに大統領夫人を死なせてしまい、その職を解かれている。その彼がテロ集団に占拠されたホワイトハウスに乗り込みたった一人で戦い、当然最後はテロ集団を叩きのめして大統領を救い出す。あらマッ、このストーリーはブルース・ウィルスの出世作「ダイ・ハード」のパクリだネ。
しかし、大統領、副大統領が人質になり、代わりの暫定大統領代行が上院ではなく下院議長とは知らなんだ。その役がモーガン・フリーマンとくると、単なるB級映画に終わらない。たいした役者です。
★★★
2.「グランド・マスター」中
抗日戦争が始まる前の中国で、北と南の武術の流派を統一して、真の強者(グランド・マスター)を決める事になった。№1と言われる東北の老武術家が南の若き葉問(イップマン)との戦いの日、禅問答を仕掛ける。その答えに喜んで中国一の武術家の称号を譲るのだ。この辺りはウームと肯かされる。この映画、格闘シーンは多いが、監督がウォン・カーウァイと来ると、スローモーションを駆使し、物語も叙事詩だ。実在の人物だが、チャン・ツィー演ずるグランド・マスターの娘は、父の仇を討つ為に女を捨て切ない。真の武道家は三つの道があるとの父の教え。自分を知り、世間を知り、人生を知る。戦後、香港でブルース・リーの師匠であった葉問を演ずるトニー・レオンは流石。
★★★
3.「セデック・バレ」台湾
イヤハヤ凄まじい映画。二部構成で4時間半にも及ぶ長編。昔、「ゴッドファーザー」を23才の時ロンドンで観た。映画としての出来はそれに及ばないとしてもこの迫力は何だろうか。生身の人間が魂に訴えるのである。聞くと、主役を含めて原住民役はほとんどが素人だと言う。1895年から50年間続いた日本統治の台湾。1930年10月27日、山深き村で野蛮人が日本人を虐殺する。女も子供も含めて。武装蜂起した彼達は元々は首狩族と呼ばれその数約300人。それに対して日本軍・警察合わせて数千人が山奥では全く歯が立たない。しかし、圧倒的な物両の前に敗れさるのだが、その戦いが凄まじいのだ。昔子供の時に、何かの本で首狩族の事を読んだ時に、何と野蛮なと思ったものだが、鯨を獲る日本も又西洋からそう思われているのだから、文化・風俗の違いはいかんともしがたい。因みにタイトルは真の男の意味。
★★★★
4.「カルテット」
名優ダスティン・ホフマンが70才を過ぎて、初めてメガホンを取った。それも老人達が主役だ。舞台は英国の美しい田園風景の中の音楽家たちだけの老人ホーム。ところが、資金難で閉館の危機が。資金集めの為にコンサートを開く準備を進めている所へ、元オペラの大スタージーンが入居する。しかし、彼女は若き頃の自分の名声と現実のギャップに今は歌を封印。元、旦那を含めたカルテット(四重唱)として果たしてジーンは舞台に立つのか。そして、老人ホームの存続は・・・。ラストに実際に出演した著名な音楽家達が過去の写真と共に紹介される。ホフマン上手い!
★★★
5.「アンナ・カレーニナ」
ロシアの文豪トルストイの名作。主演はキーラ・ナイトレイ。この女優、パイレーツ・オブ・カリビアンで人気になったが、続編には出演せず作品を選んでいる。アンナ・カレーニナ、この作品を高校生の時に読みかけたが、途中で放り投げた。舞台は19世紀末の帝政ロシア。日本では明治の初期の頃である。サンクトぺテルブルグの社交界の華がアンナ・カレーニナ。政府高官に18歳で嫁いだ貞淑な妻。兄は、浮気ばかりしていて今度も不始末を。兄嫁を慰める為に当時は田舎であるモスクワ行きの列車に乗る。
兄嫁の妹が恋している若き将校ヴロンスキーと、アンナが舞踏会で踊り二人は恋に落ちる。貞淑なアンナが家族も操もかなぐり捨て不倫へ。ところが、若きヴロンスキーに嫉妬が始まり、酒と薬で心と身体が病んでくる。ラストは列車に身を投げるのだが、欧州の当時の貴族の物語は不倫が常。そりゃ、高校生であった小生が読むワケ無い。若き将校にフられた兄嫁の妹は、その兄の親友に嫁ぎ幸せな家庭を築く。ラストでの小作人との会話の中で、物事には理屈が必要だと主張すると、主人である男に向かって、奥様を娶る時に理屈で選びましたかと問う。トルストイはそれを言いたかったのかネ。
ところで、この映画、脚本家のアイデアに脱帽。舞台での上演と設定し、カーテンと扉でシーンが変わる。これならば、広大なロシアのロケは避けられ撮影所のセットで可能だ。主役の二人が踊っている時に、周囲はストップモーションで止まっている。
監督もさる事乍ら、脚本の勝利。
★★★
6.「華麗なるギャツビー」
昔、見たこの映画はロバート・レッドフォードにミア・ファロー主演。1974年公開だから、ロンドンで見たのかも。レッドフォードが大人気の頃で、ゴージャスなパーティだったのは今でも覚えている。
さて、今回はデカプリオ。レッドフォードに比べて華麗さというか品は劣る。
しかし、途中からデカプリオの持つ激しさが映画に狂気を与える。これも、又、デカプリオらしさか。
デカプリオが一途に、一人の女性を愛し続けるのだが、最後は悲劇が待ち受け、その愛は全く報われない悲しい結末が…。
パーティの豪華さは一見の価値あり。
★★★
(評価)
★★★★★ 傑作。見逃すと後悔するぞ!
★★★★ お勧め!映画館に走ろう!
★★★ それなりに面白い。
★★ お暇ならどうぞ。
★ 金と時間のムダ。
1.「エンド・オブ・ホワイトハウス」
まあ、とんでもない映画である。何しろ、北朝鮮のテロ集団にホワイトハウスが占拠されるのである。それもたったの13分で。一機の戦闘機がホワイトハウスの上空から攻めてくる。ホワイトハウスをフェンス越しに眺める観光グループを偽装したテロ集団。更には、韓国首相一行がホワイトハウス内でアメリカ大統領と会談する。そのシークレットサービスが実は北朝鮮のテロ集団であるなんていくら映画といえど荒唐無稽(こうとうむけい)。
その2年前に一人のシークレットサービスが、事故にあった車から大統領を救い出すが、替りに大統領夫人を死なせてしまい、その職を解かれている。その彼がテロ集団に占拠されたホワイトハウスに乗り込みたった一人で戦い、当然最後はテロ集団を叩きのめして大統領を救い出す。あらマッ、このストーリーはブルース・ウィルスの出世作「ダイ・ハード」のパクリだネ。
しかし、大統領、副大統領が人質になり、代わりの暫定大統領代行が上院ではなく下院議長とは知らなんだ。その役がモーガン・フリーマンとくると、単なるB級映画に終わらない。たいした役者です。
★★★
2.「グランド・マスター」中
抗日戦争が始まる前の中国で、北と南の武術の流派を統一して、真の強者(グランド・マスター)を決める事になった。№1と言われる東北の老武術家が南の若き葉問(イップマン)との戦いの日、禅問答を仕掛ける。その答えに喜んで中国一の武術家の称号を譲るのだ。この辺りはウームと肯かされる。この映画、格闘シーンは多いが、監督がウォン・カーウァイと来ると、スローモーションを駆使し、物語も叙事詩だ。実在の人物だが、チャン・ツィー演ずるグランド・マスターの娘は、父の仇を討つ為に女を捨て切ない。真の武道家は三つの道があるとの父の教え。自分を知り、世間を知り、人生を知る。戦後、香港でブルース・リーの師匠であった葉問を演ずるトニー・レオンは流石。
★★★
3.「セデック・バレ」台湾
イヤハヤ凄まじい映画。二部構成で4時間半にも及ぶ長編。昔、「ゴッドファーザー」を23才の時ロンドンで観た。映画としての出来はそれに及ばないとしてもこの迫力は何だろうか。生身の人間が魂に訴えるのである。聞くと、主役を含めて原住民役はほとんどが素人だと言う。1895年から50年間続いた日本統治の台湾。1930年10月27日、山深き村で野蛮人が日本人を虐殺する。女も子供も含めて。武装蜂起した彼達は元々は首狩族と呼ばれその数約300人。それに対して日本軍・警察合わせて数千人が山奥では全く歯が立たない。しかし、圧倒的な物両の前に敗れさるのだが、その戦いが凄まじいのだ。昔子供の時に、何かの本で首狩族の事を読んだ時に、何と野蛮なと思ったものだが、鯨を獲る日本も又西洋からそう思われているのだから、文化・風俗の違いはいかんともしがたい。因みにタイトルは真の男の意味。
★★★★
4.「カルテット」
名優ダスティン・ホフマンが70才を過ぎて、初めてメガホンを取った。それも老人達が主役だ。舞台は英国の美しい田園風景の中の音楽家たちだけの老人ホーム。ところが、資金難で閉館の危機が。資金集めの為にコンサートを開く準備を進めている所へ、元オペラの大スタージーンが入居する。しかし、彼女は若き頃の自分の名声と現実のギャップに今は歌を封印。元、旦那を含めたカルテット(四重唱)として果たしてジーンは舞台に立つのか。そして、老人ホームの存続は・・・。ラストに実際に出演した著名な音楽家達が過去の写真と共に紹介される。ホフマン上手い!
★★★
5.「アンナ・カレーニナ」
ロシアの文豪トルストイの名作。主演はキーラ・ナイトレイ。この女優、パイレーツ・オブ・カリビアンで人気になったが、続編には出演せず作品を選んでいる。アンナ・カレーニナ、この作品を高校生の時に読みかけたが、途中で放り投げた。舞台は19世紀末の帝政ロシア。日本では明治の初期の頃である。サンクトぺテルブルグの社交界の華がアンナ・カレーニナ。政府高官に18歳で嫁いだ貞淑な妻。兄は、浮気ばかりしていて今度も不始末を。兄嫁を慰める為に当時は田舎であるモスクワ行きの列車に乗る。
兄嫁の妹が恋している若き将校ヴロンスキーと、アンナが舞踏会で踊り二人は恋に落ちる。貞淑なアンナが家族も操もかなぐり捨て不倫へ。ところが、若きヴロンスキーに嫉妬が始まり、酒と薬で心と身体が病んでくる。ラストは列車に身を投げるのだが、欧州の当時の貴族の物語は不倫が常。そりゃ、高校生であった小生が読むワケ無い。若き将校にフられた兄嫁の妹は、その兄の親友に嫁ぎ幸せな家庭を築く。ラストでの小作人との会話の中で、物事には理屈が必要だと主張すると、主人である男に向かって、奥様を娶る時に理屈で選びましたかと問う。トルストイはそれを言いたかったのかネ。
ところで、この映画、脚本家のアイデアに脱帽。舞台での上演と設定し、カーテンと扉でシーンが変わる。これならば、広大なロシアのロケは避けられ撮影所のセットで可能だ。主役の二人が踊っている時に、周囲はストップモーションで止まっている。
監督もさる事乍ら、脚本の勝利。
★★★
6.「華麗なるギャツビー」
昔、見たこの映画はロバート・レッドフォードにミア・ファロー主演。1974年公開だから、ロンドンで見たのかも。レッドフォードが大人気の頃で、ゴージャスなパーティだったのは今でも覚えている。
さて、今回はデカプリオ。レッドフォードに比べて華麗さというか品は劣る。
しかし、途中からデカプリオの持つ激しさが映画に狂気を与える。これも、又、デカプリオらしさか。
デカプリオが一途に、一人の女性を愛し続けるのだが、最後は悲劇が待ち受け、その愛は全く報われない悲しい結末が…。
パーティの豪華さは一見の価値あり。
★★★
(評価)
★★★★★ 傑作。見逃すと後悔するぞ!
★★★★ お勧め!映画館に走ろう!
★★★ それなりに面白い。
★★ お暇ならどうぞ。
★ 金と時間のムダ。
2013年06月24日 11:10