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読書雑感

2012年

(1月)
1.「pepita」井上雅彦著(日経BP社)     
宮本武蔵を描いた「バガボンド」、その昔は「スラムダンク」で作画に定評のある人気漫画家、井上雅彦のガウディ体験記だ。僕は、二度バルセロナに行き、サグラダ・ファミリアを始めガウディ作品を見て歩いたことがあるが、どちらかというと観光客気分。この本は、井上雅彦のスケッチ、コメント、そしてガウディの作品や街の写真集。今年の秋は、当社の社員旅行をバルセロナにしたい気持ちもあり購入した本。

2.「社長が絶対に守るべき経営の定石<50項>」佐藤肇著(日本経営合理化協会)  
東証一部上場のスター精密の二代目現役社長の著である。この本が3冊目のようだが初めて購入した。何故購入したかはブログに書いたので省くが、特に目新しい点は無いが必ず実践するんだという気迫に満ちている。父親が遺した経営の定石50項を本人が日々発展させて、リーマンショック後に売上が3分の1になっても翌年でV字回復を果たした手法が413頁に渡り全て書かれている。とにかく実践せねば何も出来ない。


(2月)
3.「相続資産は法人化で残しなさい」阿藤芳明著(幻冬舎新書)  
税務署出身の税理士が、相続税対策として今までの管理型法人から所有型法人に切換えなさいという教えが具体的に書かれている。僕もT&Tの社長として、時々お客様の資産活用のご相談を受けるので、その勉強の為に読んだが、中々役に立つ。

4.「はっきり言う!社長、絶対に黒字経営です。」近藤浩三著(中経出版)   
去年の11月に恒例のムーンビーチホテルでの一倉OB会合宿の講師の近藤先生から本が郵送されてきた。
桜坂のカレー屋で映画が始まる前の1時間半223頁の本を一気に読んだ。と言ってもこの手の本は、読むモノではなく、学んで実践するべき内容が書かれている。去年セミナーを受け、毎月資料も送られてくるので、本の内容はひと通りは知っている。しかし、この先生の本格的なセミナーを是非共この2、3ヶ月内にスケジュールを調整して出席しようと思っている。我が社の欠点である組織作りを学ばねばと。

5.「先送りできない日本」池上彰著(角川新書)
NHK出身の経済解説で人気の池上氏が昨年の3.11の大震災後に書いた本。沖縄経済同友会のベトナム経済視察、那覇―台北―ホーチミンの飛行機の中で読んだ。日本の電機メーカーの凋落と韓国メーカーの躍進の理由、TPP、消費税、日本の借金、中国との接し方、日本の政治家と国民の決断力不足等々分かり易い説明。そう言えば、川端さん(元NHK沖縄局長)が言っていたなぁー。この人、NHKの子ども向けの番組で、世の中の動きを本当に分かり易く解説していて、人気が出てその後フリーになったのだと。

6.「利休にたずねよ」山本兼一著(PHP文庫
この本、2009年に直木賞を受賞してベストセラーになった事は知っていた。今回のベトナム視察に読んで
みるかと本棚から取り出しバッグの中へ。大後悔。もっと早く読むべきであった。500頁を超える大作なの
だが面白い!千利休が秀吉に命じられて切腹するその日の朝の利休から物語は始まる。そして、時をさかの
ぼり、秀吉や信長、家康、吉田織部等24章の構成でいろいろな人物との利休にまつわる話が彼らの言葉で
語られる。この構成は見事の一言。美への追求の為に、一切の妥協を許さなかった利休は、何故秀吉に謝ら
ず切腹したのか。そして妻であった宗恩の心を悩ませた利休が心から愛していた女性とは・・・。これは史
実か!?もう十年以上も前になるが、沖縄県立芸大の学長に就任する前の大嶺實清先生に茶道を勧められた
事があった。当時は足を怪我していて、正座ができないという理由でお茶に触れることなく今迄来た。この
本を読み今から「茶」を始めるべしと。そしてこの作者の出世作「火天の城」も読まねばと思った。

(4月)
7.「2022‐これから10年、活躍できる人の条件」神田正典著(PHP新書)
この前、当社の社員が読んだとか言ってたので、本屋に寄ったついでに買った。夜、気分転換に読んだが…。この人、10年程前にダイレクト・マーケティングを日本に広め、中小企業の成功事例を数多く紹介した功績はあるが、どうも最近の本は僕には合わない。若者に向かって将来へのアドバイスは海外留学、英語、中国語だと。こんな事、20年以上も前から僕は娘に言い続けて来た事。それから、主治医にガン(指の傷から来たらしい)を告知され、生存率50%かと覚悟したが、次の検査では全て消えて今ある命に感謝とか…。他から引用した役に立つデータはあるがネ。

8「成熟社会の経済学」 小野善康著(岩波新書).  
サブタイトルは長期不況をどう克服するか。新古典派経済学の欺瞞をあばき、ケインズ経済学の限界を打破する画期的な新しい経済学のススメとの日経の広告に乗せられてしまった。開くと、2010年に当時の管首相に招かれ議論をしたので感謝とある。菅ごときにどうのこうのならこの本は買わなかったものをと後悔しながら、高松行きの飛行機の中で読んだが、宣伝倒れ。買ったボクが悪い。

9「ビジネスマンのための「人物力」養成講座」 小宮一慶著(ディスカバー携書)
  
ディスカバー社からのシリーズ8冊目。4月14日に大林社長(大包:高松市)が経営計画発表会に出席したのだが、記念品と一緒にこの新書も小宮さんのサイン入りで送られて来た。一倉OB会の仲間である小宮さんは、生涯に100冊の本を出版したいと常に言っておられるが、これで80冊を超えるらしいので、まあ楽勝だ。「行動を見れば、人が分る。行動を変えれば、人は変わる。」という考え方を基に、人のどういう点を見て、その人となりを判断したら良いかと言う事を細かく書いてある。読む分には1時間ちょっとあれば・・・。

10「さよなら!僕らのソニー」 立石泰則著(文春新書)  
この作家は、1950年生まれなので僕と同年だ。だからこそ、ソニー神話の崩壊が悲しくも信じたくない世代。技術のソニーと言われ、ソニーらしく輝いた商品を出したのは、大賀社長の時迄。その後、続いた出井時代にハードとソフトの両輪である物作り精神を忘れた。出井氏を後継社長に任命した大賀氏は数年後人事を後悔したと言うが…。そして、その出井氏が任命したストリンガーは物作りを捨て去り、ソニーを支えた技術陣が去り、ソニーは今、保険と金融と映画で飯を食っている。4月から50代の若い平井社長に変わったが、彼はソニーの屋台骨であったAV機器の物作りの経験が無い。所詮、変革は望めない。僕が、ロンドンに居た頃、ソニーは海外に居る日本人の誇りであった。
今期の経営計画書に、T&Tがソニーにならず、アップルに変化する為の手を打つと書いたが、経営の方針が間違い、社長の能力が足りないと、世界のソニーがあっという間に転落してしまう。経営とは非情なる世界である。

(5月)
11.「舟を編む」三浦しをん著(光文社)  
舟を編むという事はどういう意味だろうと、不可思議な問いが読み進むにつれて分かった。ある大手出版社の辞書編集部の定年間近の荒木、彼は入社以来辞書一筋。そして新しい辞書を作ろうと夢を見る顧問の松本先生。荒木は、自分の後釜にと、営業部からボーっとした髪がバサバサの馬締(まじめ)を引き抜く。そして、作ろうとしている辞書の名前を言う。それが「大渡海」だ。海を渡るにふさわしい舟を編む。これがタイトルの由来。営業部ではボーっとしていたこのまじめ君。後楽園近くの古びた木造の下宿屋に、大屋のタケおばあさんとネコのトラさんと一緒に住む。ある日、タケおばあさんの孫娘香具矢(かぐや)が京都から移り、一緒に住む事になった。板前修行中の長い黒髪のきりっとした美女。年は同じ27歳。まじめ君は彼女に恋をして、15枚の便箋に綴ったラブレターを書く。これが又可笑しい。それから20年もの時を経て、やっと辞書が出来上がるまでの物語。松本先生が逝く場面は涙する。辞書を作るという事はこんなにも大変なんだ。登場人物の描写が素晴らしい。僕も香具矢さんに惚れました。これを読むと、辞書が好きになる事間違いなし。

(7月)
12.「自分をえらんで生まれてきたよ」いんやく・りお著(サンマーク出版)
今年の5月30日に初版発行され、来月11才になるりお君の本。印鑰さんという変わった名字。2011年3月に沖縄に移住して、ご縁があり、丁度今我が社で住宅を建てさせて頂いている。心臓と肺に負担があり、入院は30回以上もしたと言うりお君。しかし、この本を読むと不思議が一杯!9歳までのおしゃべりを、お母様が書きとったとの事だが、神様の声を聞いているようで心が洗われる。いろいろな人に、大人にこそ読んで欲しい本です。

(8月)
13.「沖縄の産んだ小さな風雲児」“呉屋秀信と金秀グループ” 
 
金秀グループが今年の5月25日に創業65年を迎えた。その記念誌であるが、小説風に仕立て上げている。新書版上・下巻で570頁にもなる労作である。金秀グループの創業者の呉屋秀信氏(84)が当時の米軍民政府より企業免許を交付されたのが、1947年5月25日。奇しくも小生の誕生日だ。事業の拡大と共に資金繰りに悩み、従業員への給与の支払に困り、大切なサンシンを知人に売った。しかし、翌朝、父親が買い戻しそのサンシンが枕元にある。起きると、サンシンを売るのは、家、土地の後だ。サンシンを楽しむ心のゆとりがあれば必ず再起できると悟す父親。ウーム考えさせられる・・・。
 事業拡大を助けたのは、知り合った人の縁。苦しい時、助けたのも人の縁。そして従業員。時系列に語られているが、下巻からは小生が沖縄に戻り、起業した1980年頃からなので、当時の記憶が蘇り懐かしい。
単なる社史ということなかれ、沖縄の企業人に是非読んで欲しい本だ。

(10月)
14.「のぼうの城」和田竜著(小学館文庫)
 
数年前の大ベストセラー。文庫で上・下巻の長編である。和田竜とういう作家は初めて知った。イヤハヤこの面白さよ。関白秀吉が天下統一の為、関東の雄・北条家の小田原城を攻める。その先陣として、石田三成が2万の大軍を率いて、現在の埼玉県行田市に在った忍城を攻める。戦わず降伏するかと思いきや、城代家老成田長親は戦う決意をする。総勢僅か500人。しかし、長親こと「のぼう様」が戦うならと、百姓3千人が共に籠城し、戦う。のぼうとは、でくのぼうの事である。歴史上の実在の人物と史実にあった戦い。後に、「三成の忍城水攻め」として戦国史に残る壮絶な戦いに、何故のぼう様は勝利する事が出来たのか。将器としてリーダーたる者のあるべき姿を尽々と考えさせられる。
400頁以上を一気に読ませる面白さがこの本にはある。

15.「天地明察」沖方丁(うぶかたとう)著 角川文庫(上・下) 
映画公開の前に読んでおこうと思ったが、結果は逆になった。変わった名前のこの作者は1977年生まれなので若い。さて、物語の舞台は江戸。800年も前に中国から伝わった暦に時のずれが生じてきた。朝廷は、意に介しないが、徳川の若き四代将軍家綱の後見人である会津藩主・保科正之が若き囲碁の打ち手安井算哲に、改暦の大事業を命ずる。天才的な若手碁打ち本因坊道策との碁戦や、1年以上もの日本各地での北極星の観測、そして、天才算術家の関孝和に、水戸光圀等実在の人物が続々と登場する。改暦という大事業を成し遂げた安井算哲という男の存在は、この本で初めて知った。それを支えた後妻えんの気丈で芯の強さ。同じ日に没したのも偶然とは思えない。何しろこの二人、お互いに自分より先に死なぬ様に頼んでいた睦まじい仲。天地明察と題名も頷ける。

16.「ゼロからの挑戦」 稲盛和夫著 PHPビジネス新書
京セラの創業者、稲盛和夫氏の以前の著書「敬天愛人」をJALの再生を成し遂げた今、新たに原稿を追加して書き直した本である。羽田から那覇行きのJALの機内で一気に読んだ。稲盛式の「人生の方程式」、人生・仕事の結果=[考え方]×「熱意」×「能力」についても記されている。僕も昔、この考え方に触れて以来、学生向けの講演でも使わせて貰っている。具体的な仕事の進め方「アメーバ方式」も何度か本で読み、我が社に落とし込もうと試みたのだが、実践できていないのは、未だ「熱意」が足りないのか・・・。
必ずや成し遂げてみせませふ。

(11月)

17.「はっきり言う!人が育てられなくてリーダーといえるか!」 近藤浩三著 (中経出版)
 前著「はっきり言う!社長、絶対黒字経営です」に続く第2弾。11月21日から一倉OB会の合宿が始まったのだが、その前日に先生から送られて来た。先生の講義が2日目の22日なので、急いで眼を通した。
近藤先生は著作を読むより講演の方が臨場感があり、解り易く面白い。企業成長の3原則等我が社が取り組むべき課題も多い。来年の9月迄は岡田さんから指導を受けるので、それを徹底的に実行に移す仕組み作りを終え、
T&Tの組織作りの出口は近藤流に行きつくかもだ。


18.「義足のランナー」 島袋勉・栗田智美著 (文芸社)
 地元沖縄にこんなにも凄い男が居たとは!一倉OB会初日(11/21)の第一番目の講師だ。この本は2005年12月に第1刷が発行で既に第10刷との事。島袋氏は1963年生まれ。栗田さんはその妹だ。青年経営者の若き島袋さんはアメリカ視察の帰り、千葉の船橋市のホテル近くの踏切りで事故に遭い両足を切断してしまう。頭も強く打ち、記憶を失う。それが2000年12月。ところが2004年12月にホノルルマラソンに出場して両足義足で完走してしまうのだ。それ迄の4年間のリハビリの戦い、そして会社の倒産の危機を救った手法。どんな事に対しても決して逃げず、今できる事を考えそしてやり抜く。その不屈の精神に完服。本人と話したが、その爽やかさが清々しい。

19.「感動に不況はない」 大塚英樹著 (講談社)
 アルビオン社長小林幸一氏(46才)の100時間語り下ろした本である。そもそもアルビオンという社名はほとんどの男が知るまい。コーセー化粧品なら聞いた事がある。その子会社で高級化粧品の専門メーカー売上は400億を超える。高級香水ブルガリを手掛けたり、今は「アナスイ」ブランドが絶好調のこと。2年半の西武百貨店時代に池袋本店で美術部に配属され、全く売る事が出来なかったが、ある時、イギリスから来た夫婦に4点で2000万円以上もの陶磁器を売った時の逸話は面白い。痛快でもある。1万円で売る自信が無い商品は、8000円でも売れない。安売りせず、「感動」を売る。我々、住宅もそうなのだと意を熱くする。

(12月)

20.「幸せの道」 斉藤一人著 
 スリムどかんというダイエットのサプリで有名な銀座まるかんの創業者の著作。この人は、何冊も本を出しているが、今回はお弟子さん達が講演会で語り、最後に本人が話した内容を本にした。CD2枚付きだ。1993年から2003年迄累計約税額173億円で、これは第一位だとの事。天国言葉と地獄言葉。言霊の力。顔つやが良くないと成功者にはなれないとか。成程そうなんだ。しかし、身体の一部に光る物を身に付けなさいとの指摘には、僕が苦手なことだ。
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2012年11月27日 12:00
Posted by 比嘉ブラック社長
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